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第24話 お見舞い

Penulis: G3M
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-01 04:37:44

 復学早々に範経が熱を出して高校を欠席した。由紀と祥子と玲子は範経の家にお見舞いに行くことにした。

「私もお見舞い行って大丈夫かしら」と玲子。

「平気よ」と由紀。

「多い方が心強いから」と祥子。

「そうよ、これで三対三だわ」と由紀。

「何のこと?」と玲子。

「ブラコン姉妹のことよ」と由紀。

「美登里先輩のこと?」と玲子。

「それと妹が二人」と由紀。

「双子の女狐って呼ばれてる、陰険でこましゃくれた中学生だよ」と祥子。

「怖いわね」と玲子。

「大丈夫。私たちがついてるから」と由紀。

「きっと玲子の大好きなものが見られるよ」と祥子。

「不安だわ」と玲子。

 ……

 三人は門の前に立ち、呼び鈴を鳴らした。

 中から「どなた?」と応答があって

「由紀です。範経のお見舞いに来ました」と返事をした。

 玄関が開いて、「いらっしゃい。範経から聞いてるわ」と美登里が顔を出して言った。

「おじゃまします」と言って三人は玄関に入って靴を脱いだ。

「どうぞ、リビングルームに入って」と美登里。

「範経は?」と由紀。

けいめいの部屋で寝てるわ。ここで待ってて」と美登里。

「範経を起こすんですか?」と由紀。

「違うわ、少し片づけてるのよ。部屋に入ってもらうわ。家庭環境を偵察に来たんでしょ」と美登里。

「お見通しですね」と由紀。

「もちろんよ」と美登里。

「だって心配なんです。範経がまたいなくなってしまうんじゃないかって」と由紀。

「大丈夫よ。私たちが離さないから」と美登里。

「でも親権がお父さんにあるって聞いてます」と由紀。

「そうよ。でもそのせいで父は散々な目に合ってるわ。あなたたちも聞いてるでしょ」と美登里。

「義理の妹が大変だって」と由紀。

「そうよ。父は範経のことがわかってないわ。ただの怠け者の役立たずだと思ってるのよ」と美登里。

「範経は危険物なのに」と祥子。

「そのとおりよ」と美登里。

「麗華っていう子は犠牲者ね」と由紀。

「父が不用意に範経を連れだすからよ」と美登里。

「範経はどうなるんですか?」と由紀。

「それはわからない。でも今の状況は長く続かないわ。父が音を上げて、何もかも放り出すはずよ」と美登里。

「でも麗華っていう子は?」と由紀。

「子供よ。本気で心配してるの?」と美登里。

「範経と離れたがらないって」と由紀。

「ただのおままごとよ」と美登里。

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